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一方的で  自己満足の
 




『初めまして。どこかの誰かさん』

始まりの文句はいつも一緒。
どこの誰とも知らない手紙を読んでくれた人へとあてた言葉。
窓から見た景色や、屋敷での小さな出来事を書き記しただけの短いお手紙を、飽きずに何度も、何度も書いては小さな四角へと投函していく。
ひらひらと風に舞ったあとは、一体どこへと辿り着くのだろうか。
唯一覗ける四角い世界からはその行く末を知ることはできそうにない。
人や動物に踏まれてしまっているのだろうか。雨に溶けてしまっているのだろうか。
でも、それでも構わない。
いつか、いつかでいいから、誰かに読んでもらえたら…。
それだけで幸せで胸がいっぱいになるのだから。

『もしよければ、私とお友達になってください』

独りぼっちの少女は今日も、短い手紙を窓の外へと投函した。
返事など来るはずのない自己満足の文通を続けるために。
 
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